海に浸かる、温泉の島

式根島 shikinejima

海からぷくぷくと沸き上がる、ワイルドな温泉の島

周囲12キロの小さな火山の島で、北海道を小さくしたような形をしている式根島は、1万6千年前にできたと言われている。地質は、火山岩の流紋岩。泊海水浴場を囲う絶壁の岩肌は、ごつごつとした流紋岩が見られる。

島を囲む海岸では、美しい海の中から、ぶくぶくと熱い温泉が湧いている。潮の満干によって、アツアツの源泉がちょうどいい温度に変わったら、浸かり時だ。海に浸かるようにして、ワイルドな温泉を楽しむ。

日が沈む前の夕刻も、日が昇る前の早朝も、温泉に行けば、地元のおじちゃんや、おばあちゃんと出会う。
「毎日ここで、しっかりエネルギーをもらって、また今日も明日もがんばるのさ」

島は熱い。島の体温というのか。
生きている。

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温泉の島に浸かる

式根島の、ごろごろと流紋岩が転がる海岸には、自然と湯坪ができています。
そこにたまったお湯に、海水が流れこんで、ちょうどいい温度になったら勝手に入れるのです。

満潮になると、湯坪には海水がたくさん流れこむので、お湯は水をちょっとあたためた程度のぬるま湯状態になって、逆に干潮だと海水が入ってこないので、お湯の温度は源泉に近く激アツとなって入れません。

満潮と干潮の間の時間がちょうどいいらしいけど、それも行って、お湯を触ってみないと実際はわからないのです。
その時間を読みながら、ちょうどよい温度の湯坪を探しあてるのが、ワイルドな温泉に入るコツ。

地元の人に聞くと、「海岸あっちこちお湯が湧いてるから、どこでも入れるよ!」と言うくらい、温泉の島です。
硫化鉄線の源泉なので、赤色をしています。

島には3つの野湯に入れる露天風呂温泉と、野湯を引いた人工の温泉施設「憩いの家」があります。

まず、島で一番ワイルドで迫力のある地鉈温泉。
温泉評論家の野口冬人が張出横綱に格付けしたところです。
湯坪はわかりやすいですが、温度が潮の満ち引きに影響されるので、入るタイミングが肝心。

海岸に地鉈温泉の源泉を引いた露天風呂で、温度調整ができるので、いつでも入れる「雅の湯」は、だいたい地元の人たちもここに集まっています。
朝、夕と行けば、すっかり顔なじみになって、島談義に混ぜてもらうことも。

その雅の湯のちょっと先に、「足付温泉」があって、ここは温度調整ができない、野湯そのもの。
湯坪はわかりやすいけど、やはり潮の満ち引きを考えなくてはなりません。

男女混浴で、水着着用で入ります。24時間いつでも入れるし、無料。
憩いの家は、室内男女別の湯船なので、一般的な温泉と同じように裸で入れます。
朝10時から夜9時半までいつでも入れるが、ここだけは有料で200円。

さあ、どの温泉から巡ろうかな。

島には、式根島と新島、イタリアのイパリ島にしかないといわれる、抗火石があります。
真っ白な、溶岩の一種です。
式根島では、この抗火石の砂をお墓にも敷いていて、きらきらとしています。

昔から猫多い、猫島

宿「わたなべ」宿のこざっぱりと綺麗な部屋に通されて、ベランダに顔を出すと、サバトラ柄の可愛らしい猫がひょっこり、隣の部屋のベランダから顔を出しました。

式根島は猫が多くて、「猫の島」とも言われています。

 

 

 

<行き方>

東海汽船(船)の場合
竹芝桟橋〜式根島
◆高速ジェット船:3時間10分(運行していない時期あります)
◆大型客船さるびあ丸:約10時間(竹芝桟橋を夜11時に出航、朝8時過ぎに到着)
時刻はこちら
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新中央航空(飛行機)の場合
調布飛行場〜新島飛行場(約30分)
詳細はこちら
……乗り換え……
新島〜式根島(連絡船にしきに乗り換え)
時刻表はこちら

 

鼓動感じる屈指の湯治場

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